家づくりを始めた頃、私たちはかなり一条工務店に惹かれていました。
断熱性能、気密性能、窓、床暖房、太陽光発電。分かりやすい数値で住宅性能を比較するほど、「家は性能で選ぶべきなのでは?」と考えるようになり、一時は夫婦で「もう一条工務店でいいんじゃない?」と話していたほどです。
それでも、最終的に選んだのは住友林業でした。
一条工務店の性能に不満があったわけではありません。むしろ、一条工務店を見たからこそ、断熱・気密・窓・冷暖房など、住宅性能を真剣に考えるようになりました。
ただ、他のハウスメーカーや工務店も見て、自分たちがどんな暮らしをしたいのかを考えていく中で、ひとつ気づいたことがあります。
「性能が高い家」と「自分たちに合う家」は、必ずしも同じではない。
住友林業で魅力を感じたのは、木の質感、26坪を使い切るための設計自由度、大きな窓から庭へ視線が抜ける空間、そして自分たちの優先順位に合わせて家をつくれることでした。
この記事では、一条工務店にかなり惹かれていた私たちが、なぜ最終的に住友林業を選んだのかを振り返ります。
「どちらの性能が上か」という比較ではありません。家づくりを進める中で、私たち自身の「良い家」の基準がどう変わっていったのか。その過程を、実際の経験をもとに紹介します。
住友林業を最終的に選んだ理由全体については、第3話で詳しくまとめています。

最初は「一条工務店でいいんじゃない?」と思っていた
私たちが家づくりを始めて、最初に訪れたハウスメーカーが一条工務店でした。
当時の私は、住宅性能について詳しかったわけではありません。それでも展示場で話を聞くうちに、「住宅会社によって、家の性能はこんなに違うんだ」と驚きました。
特に魅力を感じたのが、断熱・気密・窓などの性能です。何十年も暮らす家なら、性能はできるだけ高い方がいい。調べれば調べるほど、「性能が高い家=良い家」という考えが自分の中で強くなっていきました。
床暖房や太陽光発電なども含め、住宅そのものを高性能化する考え方も分かりやすく感じました。
見学を終えた頃には、夫婦で「もう一条工務店でいいんじゃない?」と本気で話したほどです。
今振り返っても、一条工務店に魅力を感じたこと自体は間違っていなかったと思います。
むしろ、一条工務店を最初に見たからこそ、断熱・気密・窓・冷暖房など、住宅性能を意識して家づくりを考えるようになりました。
ただ、せっかく数千万円を掛けて建てる家です。
「最初に見た1社だけで決めて、本当に後悔しないだろうか?」
そう考えて、他のハウスメーカーや工務店も見てみることにしました。結果的に、この判断が私たちの家づくりの基準を大きく変えることになります。
他社を見て、「良い家」の基準が変わった
一条工務店だけで決めず、私たちは他のハウスメーカーや工務店も見て回りました。
そこで気づいたのが、「家の良さは、一つの数字だけでは比べられない」ということです。
断熱性能に強い会社もあれば、デザインが魅力的な会社、間取りの提案が上手な会社、価格とのバランスに魅力を感じる会社もありました。実際に比較してみると、それぞれに違った良さがあります。
その中で、私たち自身も「性能以外に、自分たちは何を大切にしたいんだろう?」と考えるようになりました。
それまでの私は、家の良し悪しを数字で比較することに意識が向きすぎていたのだと思います。
性能はもちろん大切です。
ただ、何十年も暮らす家を選ぶなら、性能だけでなく、間取り、素材、居心地、使いやすさ、予算まで含めて考える必要がある。
複数の住宅会社を比較したことで、「良い家」の基準が少しずつ変わっていきました。
私たちが実際に検討した7社については、第2話で詳しくまとめています。

住友林業で気づいた、数字では測れない心地よさ

そんな中で訪れたのが、住友林業のモデルハウスでした。
そこで特に印象に残ったのが、木の質感です。木目の見た目だけでなく、床を素足で歩いたときの感触や、空間全体の落ち着いた雰囲気にも惹かれました。

妻も私も、「この雰囲気、いいね」と素直に感じました。
それまで私は、断熱性能や窓性能など、数字で比較できる部分を中心に家を見ていました。でも、実際に毎日暮らす場所なら、数字だけでは表せない部分も大切なのではないかと考えるようになりました。
「触れたときに気持ちいい」
「家に帰ってきたときに落ち着く」
住友林業を見たことで、私たちの家選びに初めて「心地よさ」という評価軸が加わりました。
もちろん、木の質感だけで住友林業を選んだわけではありません。
ただ、「性能が高いか」だけではなく、「そこでどんな毎日を過ごしたいか」を考え始めた大きなきっかけになりました。


約6,000万円の概算で、何にお金を使うか考え直した
住友林業に魅力を感じるようになった一方で、現実的に考えなければならないのが予算でした。
当初は、インナーガレージを含めた希望を盛り込んだプランも考えていました。
ところが、提示された概算は約6,000万円。
夫婦で見た瞬間、
「これは無理だね(笑)」
となりました。
ただ、この金額を見たことで、家づくりの優先順位をかなり真剣に考えるようになりました。
「本当に欲しいものは何か」
「なくても困らないものは何か」
「何にお金を使えば、毎日の暮らしが良くなるのか」
ここから、希望を一つずつ整理していきました。
インナーガレージのように、あればうれしいものでも、予算とのバランスを考えて見送ったものがあります。
一方で、毎日使うキッチンや、洗濯動線、窓、照明などには予算を使うことにしました。
全部を叶えるのではなく、暮らしへの影響が大きいところへお金を振り分ける。
この考え方が、最終的な26坪平屋の間取りや仕様につながっています。
結果として、契約時の見積もりは3,727万9,000円(税込)でした。
その後、打ち合わせを進める中でキッチンや照明、カーテン、空調などを具体化し、着工合意時には4,228万4,000円(税込)になっています。
約500万円増えていますが、当初の約6,000万円という概算を見たことで、「何を残して、何を削るか」を早い段階で考えられたのは大きかったと思います。

また、26坪という広さに落ち着いた理由や、どこに面積を使ったのかについては、第5話で詳しくまとめています。

「一番高性能な窓」ではなく「この家に合う窓」を選んだ
家づくりを始めた頃の私は、窓についても「性能が高いほど良い」と考えていました。
断熱性能や熱貫流率など、数字で比較すると性能差は分かりやすいです。もちろん、窓は住宅性能に大きく関わる部分なので、今でも性能は重要だと思っています。
ただ、住友林業で間取りや窓計画を考える中で、私たちが欲しいのは「一番性能の高い窓」ではなく、「この家の暮らしに合った窓」だと考えるようになりました。
我が家では、キッチンからリビング、その先の庭まで視線が抜けることを大切にしています。LDKの東側にはコーナーサッシも設け、26坪という限られた床面積でも外へ視線が抜けることで、広がりを感じられる空間を目指しました。
窓を小さくすれば、断熱性能の面では有利になる場面もあります。
それでも我が家では、性能だけでなく、採光、眺望、庭とのつながり、室内から見たときの心地よさまで含めて窓を選びました。
「一番高性能だから選ぶ」のではなく、「この場所に、この窓が必要だから選ぶ」。
これも、一条工務店を見たあとに私たちの家づくりの基準が変わった一例です。
窓の種類や配置、採用理由については、第7話で詳しくまとめています。

26坪を使い切るため、設計自由度を重視した
住友林業に魅力を感じた理由の一つが、間取りや空間のつくり方の自由度でした。
我が家は26坪の平屋です。限られた面積だからこそ、部屋をただ並べるのではなく、「どこに面積を使い、どこを削るか」を細かく調整する必要がありました。
たとえば、浴室・ランドリー・WICを近づける。独立洗面を設ける。LDKとスタディコーナーをつなげる。キッチンから庭が見える配置にする。
こうした希望を一つずつ間取りへ落とし込んでいきました。
私たちにとって「設計自由度が高い」というのは、奇抜な家をつくれることではありません。
限られた26坪を、自分たちの暮らし方に合わせて使い切れること。
そこに価値を感じました。
住友林業のBF構法も、構法そのものに憧れて採用したわけではありません。大きな開口や間取りの自由度など、自分たちが欲しい空間を実現するための手段として魅力を感じています。
最終的な26坪平屋の間取りや、何を残して何を削ったのかについては、第5話で詳しく紹介しています。

それでも、一条工務店の性能は魅力的だった
ここまで住友林業を選んだ理由を書いてきましたが、一条工務店の性能に魅力を感じなくなったわけではありません。
断熱・気密、窓、床暖房、太陽光発電など、住宅そのものの性能を高める考え方は、今振り返っても魅力的だと思います。
変わったのは、一条工務店への評価ではありません。
私たち自身の「良い家」の基準です。
家づくりを始めた頃は、性能を数字で比較して、より高い方を選べば後悔しないのではないかと考えていました。
しかし、住宅会社を比較し、間取りや暮らし方を具体的に考えるようになると、性能以外にも大切にしたいものが見えてきました。
木の質感。
庭とのつながり。
窓から見える景色。
暮らしに合わせた間取り。
毎日の動作を減らす家事動線。
そして、どこにお金を使うのかという予算配分。
性能は、その中の一つです。
私たちが欲しかったのは「性能値そのもの」ではなく、その性能も含めて、毎日気持ちよく暮らせる家でした。
だから、一条工務店ではなく住友林業を選びました。
これは「一条工務店より住友林業の方が優れている」という意味ではありません。
家づくりで何を優先するかが、私たちには住友林業の方が合っていたということです。
まとめ|「性能が高い家」ではなく「自分たちに合う家」を選んだ
家づくりを始めた頃、私たちは一条工務店の住宅性能に強く惹かれていました。
一時は「もう一条工務店でいいんじゃない?」と話していたほどです。
それでも他の住宅会社を見て、住友林業と打ち合わせを重ねる中で、家を見る基準が少しずつ変わっていきました。
性能だけでなく、木の質感、間取りの自由度、庭とのつながり、窓からの景色、家事動線、そして予算。
すべてを含めて、
「自分たちは、この家でどんな暮らしをしたいのか」
を考えるようになりました。
約6,000万円の概算を見て、何でも採用するのは無理だと分かったことも大きな転機でした。
だからこそ、何を残し、何を削り、どこにお金を使うのかを夫婦で考えました。
最終的に私たちが選んだのは、住友林業の26坪平屋です。
「性能より住友林業を選んだ」のではありません。
「性能だけで家を決めるのをやめた」。
これが、一条工務店にかなり惹かれていた私たちが、最終的に住友林業を選んだ一番大きな理由だと思っています。
そして、この判断が本当に自分たちに合っていたのか。
それは完成後、実際に暮らしながら確かめていきます。
